― 頚椎症の本当の原因と、日常生活の見直しでできること ―
◆ 首の痛み・腕のしびれ、それ「頚椎症」かもしれません
最近、こんなことはありませんか?
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首を動かすと痛む、重い
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デスクワークのあと、肩〜腕がズーンとだるくなる
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腕や手にしびれが出てきた
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よく手を落としたり、細かい動作がしづらくなった
これらの症状、単なる肩こりや疲労と見過ごされがちですが、**「頚椎症」**が関係しているかもしれません。
◆ 頚椎症とは?
頚椎症とは、首の骨(頚椎)の変性や変形により、神経が圧迫されて起こるさまざまな症状の総称です。
加齢によって椎間板が潰れたり、骨が変形(骨棘)したりして、神経や脊髄に影響を及ぼします。
代表的なタイプには:
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頚椎症性神経根症:首から腕・指にかけての痛みやしびれ
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頚椎症性脊髄症:手足のしびれ、歩きづらさ、手先の不器用さなど
があり、進行度合いによって症状は異なります。
◆ 「加齢が原因」と言われても…
確かに、頚椎症の多くは40代以降に多くなり、年齢による変性が要因のひとつです。
しかし、同じ年齢でも症状がある人とない人がいるのはなぜでしょうか?
それは、姿勢・筋肉のバランス・生活習慣によって進行のスピードや影響が変わるからです。
つまり、「年齢のせい」と決めつけてあきらめる必要はないのです。
◆ 頚椎症を引き起こす“体の癖”とは?
当院で多く見られるのは以下のようなパターンです:
◎ スマホ首・巻き肩
長時間のスマホやPCで、頭が前に突き出た姿勢がクセになると、
頚椎に本来よりも大きな圧力がかかります。
頭の重さは5〜6kgもあり、それが前にズレるほど首の骨と筋肉への負担は何倍にもなります。
◎ 胸椎の硬さ(背中が丸まっている)
背中が固まっていると、首が代償的に過剰に動こうとします。
このようなパターンは、首の椎間関節や椎間板にストレスをかけ、変性を進めてしまう原因になります。
◎ 呼吸の浅さ・ストレス
ストレスによって呼吸が浅くなると、首や肩の筋肉が常に緊張状態に。
これが血行不良や神経の過敏さを生み、痛みやしびれを悪化させます。
◆ 病院で「様子を見ましょう」と言われた方へ
病院で頚椎症と診断されると、多くの場合:
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投薬(消炎鎮痛剤)
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牽引
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温熱療法
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経過観察
などが行われます。
もちろんこれらも意味がありますが、「根本的な動きの改善」や「生活習慣の見直し」がなければ、痛みは繰り返し、場合によっては手術が必要になることもあります。
◆ 手術が必要になるケースとそうでないケース
以下のような症状がある場合は、神経が強く圧迫されている可能性があり、
整形外科での精密検査・手術が検討されます。
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ボタンがかけられない、箸がうまく使えない
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階段でつまづくことが増えた
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手足が同時にしびれてきた
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尿が出にくい・頻尿がある
しかし、それ以外の「痛み」「軽いしびれ」「張り感」であれば、
姿勢・筋膜・内臓機能・神経伝達の改善で大きく変化するケースも多いのです。
◆ 当院での対応・アプローチ
当院では、頚椎症に対して次のような方針でアプローチしています。
① 詳しい評価
首の状態だけでなく、胸椎・骨盤・肩甲骨・呼吸の状態・内臓の緊張までしっかり評価します。
② 全身のバランスを整える施術
単に首だけを施術するのではなく、
「なぜ首に負担が集中したのか」という全体の構造的原因にアプローチします。
③ 自宅でできるセルフケアと習慣改善の指導
症状の改善と再発予防には、日常の体の使い方・食事・睡眠・呼吸の質も非常に重要です。
◆ 最後に 〜頚椎症は「姿勢と習慣」のメッセージ〜
頚椎症の痛みやしびれは、体からのメッセージです。
「今のままだと体に負担がかかってますよ」と教えてくれているのです。
首だけを見るのではなく、
全身を見直し、根本原因に気づくことが、これからの10年、20年を快適に過ごす鍵になります。
「このまま痛みと付き合っていくしかない」と思っていた方こそ、
一度ご自身の体と向き合ってみてください。